外壁のひび割れ、補修する必要性は?
最終更新 : 2022.11.04
生活している中で、自宅の外壁を細かく見る機会があるでしょうか?ふと見たら、ひび割れが入っているのを見つけるかもしれません。逆にひび割れがあったからこそ、目についたかもしれませんが、どちらにしても一大事です。

外壁のひび割れはなぜ起こるのでしょうか。その理由がわかると、外壁塗装で補修する意味が見えてきます。
外壁ひび割れの種類と原因
外壁のひび割れには種類があり、それぞれ原因が隠れています。外壁は、強度を保てる作りになっているため、簡単にひびは入りません。
そこでポイントになるのは、外壁ひび割れの原因です。この原因によっては、外壁塗装で済ますこともできますが、今後の生活も考えなければいけないレベルなるかもしれません。
・ヘアークラック
外壁ひび割れで最も軽度な状態がヘアークラックです。名前の通り、髪の毛のような隙間のひび割れのことを指しています。一般的には幅が0.3mm未満、深さは4mm未満のクラックです。
ヘアークラックの場合、構造的には大きな影響はないとされています。しかし、あまりにも多くのヘアークラックが入っている場合には、急激な乾燥収縮など大きな原因が隠れているかもしれません。緊急で補修が必要といったレベルではありませんが、経過観察でクラックの状態や数が変化しないよう注意しましょう。
・構造クラック
構造クラックとは、外壁の構造的部分にまでひび割れが及んだ状態です。表面だけではなく構造的な影響が出てきていることから、本数や状態によって大規模な補修の必要も出てきます。
構造クラックの場合、非常に大きな力がかかっていることが原因になっているケースが多く、外壁を直せば済むといったレベルでは直らないこともある状態です。内部構造の影響によっては、外壁交換といった選択しか残されないケースもあります。
外壁塗装する場合でも、構造クラックの補修はしっかりと行わなければいけません。原因を追求せず軽度な補修で済ますと、仕上がった塗装にすぐにヒビが入ることも出てくるからです。
構造クラックの状態によっては、建物として強度を失っており、倒壊する危険性まであります。
・その他
ひび割れの原因とも繋がる部分ですが、乾燥クラックや縁切れクラックなどもあります。
乾燥クラックはヘアークラックの原因でもあり、モルタル壁などで急激に乾燥したときに起こります。セメントを使った外壁の場合、強度が出るまである程度の水分を保たなければいけませんが、セメントの熱反応で内部の水分が急激に失われ乾燥収縮してしまったことが原因で起こってしまいます。風が当たり続け、表面の水分だけ持っていかれたケースもあります。
縁切れクラックは、打ち継ぎなどに入るひび割れです。構造的に一体化していないときに起こることが多く、外壁塗装でも2度に分けて塗装したときに起こります。
外壁がひび割れる原因
クラックのサイズや本数だけではなく、根本的な原因を突き止めることが重要です。
・経年劣化
外壁ひび割れでとても多いのは経年劣化です。外壁材が経年劣化により耐久性を失い、ひび割れるケースです。外壁塗装も同様の影響を受けるため、時間が経てば経つほどひび割れは発生しやすくなるでしょう。物質として紫外線の影響などで避けられないこともあります。
・施工不良
早期の段階でひび割れが見られるときには、施工不良が考えられます。必要な工程が省かれているようなケースもあり、構造も含め根本的に大きな問題です。地盤改良がうまくいっておらず、構造クラックが入るといった間接的な場合もあります。
・地震などの力
想定していない大きな力がかかったときに、外壁ひび割れが発生することがあります。地震の力は、人間が考えているよりも遥かに大きなパワーです。車が走ったときの振動がかかり続ける場所なども、外壁ひび割れが発生しやすい条件といえます。
外壁ひび割れを補修する理由
外壁ひび割れを見つけたとき、なぜそのままにしてはいけないか考えてみましょう。理由によっては緊急性の高さなども割り出せるからです。
・雨漏り
外壁は建物の構造部材の内部に雨水を浸透させないために存在します。外壁塗装も同様ですが、ひび割れるとそのまま水が入る隙間ができてしまいます。これにより構造部材内部の劣化が進みやすくなり、部屋の中では雨漏りする箇所が出てくるようになります。雨水を浸透させないのは、外壁塗装の役割にもつながるポイントです。
・建物の耐久性の減少
構造部材の中に水などが染み込んでいくため、劣化が早まります。ひび割れ自体も伸びていく可能性があり、耐久性はどんどん減っていくのです。どこかで食い止めなければいけません。
・カビなどの健康被害
雨漏りの影響にも繋がりますが、カビなどが発生し健康被害を引き起こすかもしれません。シロアリの発生を助長するといったことも考えられるため補修が必要です。
・美観の低下
どんなに素晴らしいデザインで美しい外壁塗装が残っていても、ひび割れが見られると景観が損なわれます。生活に影響が出るなら補修が必要です。
外壁の補修方法
外壁塗装の補修方法にはいろいろなものがあります。これはクラックの状態などによっても違いますし、原因によっても変えなければいけません。
・Uカット
Uカット工法は、外壁のひび割れをサンダーなどの工具で切削し、カットした部分に補修材を詰め込む方法です。補修材は接着力の強いものを使い、剥がれないようにします。ひびが入った脆弱な部分を取り除くことになるため、強度の高い補修方法です。外壁塗装する場合も有効に使えます。
・低圧シリンダー
外壁のひび割れに対し接着性の高い低粘度の樹脂を注入していく方法で、専用のシリンダーを取り付けゆっくりと流し込みます。注入速度が速いとクラックを助長してしまいます。エポキシ樹脂を注入しますが、漏れない状態を作るなど、かなりの技術が必要になります。
・ピンニング
ひびが入り浮き上がった部分などに穴を開け、金属のピンを打ちこんで樹脂で固める方法です。一箇所ごとを確実に施工することで、ひび割れて弱くなった部分を補修できます。
・コーキング処理
ひび割れに対してコーキングなどで処理する方法です。補修方法としてはかなり手軽にできますが、根本的に解決するわけではありません。構造的には大きな問題ではない、縁が切れたときや一時的なひび埋めなどに使われる方法です。
・無収縮モルタル
モルタル壁などにひびが入り、構造的な強度が失われたときに使われます。脆弱な部分を一旦除去し、アンカーなどで型枠を取り付け、無収縮モルタルを注入する方法です。グラウトと呼ばれますが、打ち継ぎ部分には接着剤を使い注入するため、一体化を目指せます。
無収縮モルタルは、セメントの水和反応が起こった後に体積減少を起こすことができません。正確には全く収縮しないのではなく、収縮と膨張のバランスを取り体積の変化をゼロに近づけたものです。乾燥収縮にも強いため、補修方法としてはかなり強度が高まります。特に内部の構造が露わになったときなどに使うと良いでしょう。
まとめ
外壁のひび割れは、深刻な問題を抱えるケースが出てきます。例えば、構造クラックが入っているケースでは、地盤の問題なども含め原因を追求しなければいけません。外壁を直せば済むとは限らないような状態です。
外壁のひび割れは、外壁塗装でもカバーできるケースがあります。もちろん構造的な問題が隠れているときには先に補修してから塗装することになるでしょう。
まずはシンニッケンの無料診断で状態の確認をしてみませんか?確認結果からどのような補修方法をとるか検討することができます。
