外壁のひび割れは補修が必要?手遅れになる前に補修対応

最終更新 : 2022.04.14

自分の家の外壁を見たら、ひび割れている部分を発見。ひびが入っていると、一大事だ!と思う瞬間かもしれません。
外壁の材質によっても違いますが、何らかの問題が発生しているからこそ、ひび割れてきます。問題はこの原因です。
外壁のひび割れは、見た目だけでは分かりにくいものですが、異常が出てきているサインだと思わなければいけません。異常が起きている以上、補修は必要ですが、問題は原因の追求と進行状況です。
ひび割れで焦る気持ちは大切ですが、まずはどのような原因から発生しているかからスタートしていきましょう。

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外壁のひび割れが出る原因

外壁のひび割れには、必ず原因があります。原因なしにひびは入りません。原因次第では、深刻な問題を抱えているかもしれません。この場合には、できるだけ早く補修を考えることが必要です。

膨張と収縮によるヘアクラック

世の中にある物質は、加熱すると膨張し冷えると収縮します。外壁も同じで、太陽の熱などが加われば膨張し、冷えると収縮するのです。これは自然界の物質のことわりとして避けられません。このときに、追従できなくなるとひび割れを起こします。このひび割れはクラックとも呼ばれるのです。
この膨張収縮などを原因歳、表面上だけ表れてくるのがヘアクラックです。乾燥も原因につながりますが、表層部分に限定して入っている状態でそこまで心配はいりません。壁材によっても違いますが、よほど多くのヘアクラックが入っている状態でなければ、補修の必要はないでしょう。

乾燥ひび割れ

セメント系の外壁材などは、乾燥すると収縮を起こし、ひび割れが入るケースがあります。乾燥すると体積の収縮が起こり始め、表面からひび割れが入り始めるのです。ヘアクラックのような状態もありますが、原因によってはかなり深く入る場合も出てきます。状態によっては補修が必要です。

構造クラック

外壁の構造的な部分までクラックが入っている状態を構造クラックと呼びます。外的な力によってクラックが生じるので、非常に大きな問題を抱える状態です。
外的な力にもいろいろとあり、地盤沈下や基礎の問題、地震などがかかわります。問題は構造クラックが入った時点で、外壁の耐久力が失われている点です。耐久力の限界を超えている状態を表すため、構造クラックは補修しなければいけません

ふち切れクラック

コンクリート造の壁の場合、1回で打設が終了しないケースが出てきます。大量のコンクリートを一度に打設すると、化学的な発熱でダメージを与えてしまうからです。そのため、数回に分けて打設していきますが、この打ち継ぎ部分ができてしまうのです。
この打ち継ぎはさまざまな方法で一体化させていきますが、えんが 切れるようにひびが入るケースがあります。これをふち切れクラックや打ち継ぎクラックと呼ぶのです。
構造的に一体化できていない状態で力に耐えられないケースが出てくるので、構造的な補修が必要です

コーキングのひび割れ

コーキングにひびが入ってしまう状態ですが、部材同士をつないでいる部分で、継ぎ目に水が浸透する可能性があることから打ち直しが必要です。
コーキングの下に、ひびが入るようにしている部分もあります。大きな構造物で作られますが、膨張収縮の力を集めるために作られた部分です。この部分にも水は浸透する可能性があるので、早めに打ち直ししなければいけません。

外壁ひび割れを補修すべきかの判断

ひび割れ補修の判断は、ある程度は見た目でもできます。しかし、見た目だけではなく、ひび割れの奥がどうなっているのかによって、補修すべきか判断しなければいけません。どこでその判断をするか見ていきましょう。

ひび割れの状態と対処の必要性

ひび割れている状態は、進行が進むと壁が一体ではなくなります。ばらばらの状態になる過程であり、悪化すれば建物としての構造力を失うのです。壁の強度がなくなるので、倒壊する危険性も理解しなければいけません。つまり、焦点になるのが進行度合いの判断です。

一般的にヘアクラックは、幅が0.3mm、深さ0.5mm以下のものを呼びます。表面上や塗膜だけクラックが入っている状態なので、早急な補修は必要ありません。ただし、乾燥によって入っている状態は、構造的に強度不足の可能性もあり要観察状態です。

1mm以上の幅を持つひび割れは、躯体に異常をきたす可能性が出てきます。1mmになると、名刺が数枚入るほどの幅がある状態で、点検の必要があるでしょう。長く伸びていく状態は、大きな問題につながります。

3mm以上になると、構造躯体に耐力がなくなってきていきます。この状態はできるだけ早い補修が必要です。コンクリートなどは、内部の鉄筋にまでクラックが到達することもあり、雨水が浸透して錆びるなどの影響を及ぼす可能性が出てきます。壁としての役割も果たせなくなるので、家の寿命を縮めてしまう状態です。特に蜘蛛の巣状にクラックが走っているときは、早急な点検を要します。

ひび割れのリスク

外壁は建物という構造物を守る盾です。外壁が壊れてしまえば、構造物としての構造的な破綻をきたします。
ひび割れの中には進行する原因を抱えている場合があります。地盤沈下や振動などの外的な力、外壁自体の劣化のような根本的な原因は、ひび割れが進行しやすい状況です。発見したときはわずかでも、そのままにしていると、どんどんと伸びます。
ひび割れから湿気や雨水が浸透すると、内部構造に影響を与え劣化が進みます。劣化した外壁は自然に回復しません。一度入ったひび割れも、そのままでは二度と元に戻らないのです。こうしたリスクを考えれば、定期的に観測し早めに補修した方がいいでしょう。

外壁ひび割れの補修方法

外壁ひび割れの補修方法はいくつかあります。それぞれ特徴があり、原因や進行度合いによって選択することが大切です。

単純なコーキング

ひび割れをコーキングで隠す方法で、もっとも単純な施工方法がコーキングです。この方法のメリットは費用も安く上がりで、小さなクラックであれば雨水の浸透も防げます。コーキングは伸縮性を持っており、クラックが伸びようとしても小さな力なら押さえてくれるところもメリットです。
その半面、構造的な補修にはなりません。大きなひび割れも、上からコーキングするだけなら効果は発揮できないのです。

セメント紛を使った補修

ヘアクラックなど、わずかなクラックであれば、セメントの粉を擦り付けて補修する方法があります。チョーク式やスプレー式などが販売されていますが、セメントを付着させるだけなので、構造的に補修しているわけではありません。あくまでも表面的なクラックを隠すといった程度になるので、深いクラックには使えない方法です。
原因が強い力のかかっているものでなければ、雨水の浸透を防ぐために止水用超速硬セメントを使って補修する方法もあります。ただし、扱いがとても難しくDIYでできるレベルではありません。

Uカットからのコーキング工法

ひび割れ部分をベビーサンダーでUの字型にカットし、そこにコーキングする方法です。この方法は表面上ではなく、躯体に切れ込みを入れてコーキングします。付着面積を増やし、雨水の侵入を防ぎやすくなるとともに、コーキングの弾性力を利用してひびが伸びるのを防げるのがメリットです。
効果的な方法ですが、躯体を一体化させるわけではなく、ひび割れが伸びないようにつなぐ方法なので、壁の強度を戻すような効果はありません。それでも施工速度は早いので、軽度のひび割れには効果を発揮します
この工法あたりからは、知識がない中でのDIYでは難しいといっていいでしょう。特にUカットするために使うベビーサンダーの取り扱いは難しく、躯体によってはダイヤモンドブレードなどを使わないといけないからです。

樹脂注入

エポキシ樹脂などを注入し、ひび割れを防ぐとともに一体化させることが目的の工法です。いろいろな工法が考案されてきましたが、ひび割れが浅いなら、Uカットしてエポキシ樹脂を詰め込む方法があります。高い接着力と強度があり、恒久的な補修にも可能です。ただし、エポキシ樹脂の取り扱いは難しく、下地処理も必要なため時間がかかります
ひび割れが深い場合には、表面を固めておき、内部に低圧でエポキシ樹脂を注入する方法が有効です。注入方法は注射器のようなシリンダーやゴムの風船のようなものまで考案されてきました。低圧で注入するのでひび割れが注入圧で伸びるのを防ぎつつ、しっかり充てんできるメリットがあります。施工はかなり難しい方法なので、専門業者でなければできません

エポキシ樹脂は、高い強度を発揮できるだけではなく、接着剤としてつなぎとめてくれる効果があります。市販されているものもありますが、可使時間の問題もあり、素人の施工は難しい方法です。

ピンニング工法

ピンニング工法は、もともとは外壁表面のタイルなどの浮きを抑えるために使われていた工法です。壁に穴をあけステンレスのピンを差し込み、エポキシ樹脂を注入し固めます。エポキシ樹脂の接着剤の効果を活用しつつ、ステンレスのピンにより一体化させることが目的でしたが、ひび割れ部分に活用する方法も取られるようになりました。ステンレスのピンもひび割れ用にいろいろなものが使われるようになり、ひび割れ部分に打ち込むことでひびが広がるのを抑えられるようになりました。
ピンニング工法も高い技術が必要です。施工時間も必要となるため、専門業者に相談しましょう。

まとめ

ひび割れは、状況と原因の確認が必要です。その原因によっては、できるだけ早期の対応が必要な場合も出てきます。そのまま放置しても、なにも解決できないだけではなく、悪化していくだけだからです。
補修の判断が難しいのは、ひび割れの全体的な問題です。外側から中の様子は簡単にわかりません。なにが起きているのかもわかりにくいため、どうしても判断が遅れてしまいます
異常を見つけたときには、まずは専門業者に相談しましょう。原因の調査をしておくと、深刻な問題になる前に解決できるからです。
外壁塗装の質も重要です。ひび割れが発生する可能性は塗装の品質にもかかわってきます。将来的なことも含め、安心して任せられる高い技術力を持った業者を選んでいきましょう

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