塗装の見積もりはどこを見るべき?追加費用が発生するケースと業者の選び方
最終更新 : 2025.06.24

住宅のコンディションを維持するために、外壁の塗装は定期的な塗り替えが必要です。
しかし、塗装工事に関する知識がない方にとっては、見積書に記載された金額が妥当なものか判断するのは簡単ではありません。
そこで本記事では、塗装工事の見積もりにおける重要なチェックポイントや、想定外の出費を抑えるための注意点、信頼できる業者の見分け方などを詳しくご紹介します。

Contents
塗装の見積もりを取る前に最低限準備しておきたいこと

外壁や屋根などの塗装作業を依頼する際、想定以上に高額な見積もり金額が提示されるケースが少なくありません。
このようなトラブルを避けるためには、見積もり前の段階で以下のポイントを心がけておくことが大切です。
塗装したい範囲・内容と予算を明確にする
外壁だけでなく、屋根や付帯部(軒天、雨樋、玄関ドアなど)まで塗装するかどうかを事前に整理しておきましょう。
また、具体的な予算額はもちろんのこと、「色を変えたい」「ツートンにしたい」などの希望があれば、ざっくりとしたイメージだけでも明確にしておくと見積もりが出しやすくなります。
建物の現状を把握しておく
建物の築年数や前回の塗装履歴、外壁材の種類(サイディング・モルタルなど)、ヒビ割れやチョーキング(表面に白い粉が付着する状態)など、基本的な情報・現状を把握しておくとスムーズです。
特に建物の築年数が10年以上経過している場合、塗装と同時にさまざまな部分の補修が必要になることも多く、費用に大きく関わるため要注意です。
関連記事:外壁塗装の塗料は何種類ある?選び方とおすすめの塗料ランキングを紹介
塗装の見積もりを確認・比較するときのチェックポイント

塗装工事の見積もりは金額だけを見て判断するのではなく、作業内容や内訳、保証の有無などを総合的に見て信頼できる業者かどうかを見極めることが大切です。
特に注意しておきたい4つの項目に分けてチェックポイントを解説しましょう。
塗装範囲と塗料の記載
最も重要なのが、「どの部分を・どんな塗料で」塗るのかが明記されているかという点です。
【チェックポイント】
- 外壁・屋根などのほかに、雨樋や軒天などの付帯部が塗装範囲に含まれているか
- 塗料の品名・メーカー・グレード(耐用年数)が記載されているか
これらが不明確な場合は、作業後の追加請求やトラブルにつながる恐れがあります。
項目と工程の明確さ
施工業者が作成する見積書の中には、「外壁塗装一式」や「付帯部塗装一式」といった記載が見られることが珍しくありません。
事前に口頭で説明を受けていたとしても、このような曖昧な表現が記載されている見積もりには要注意です。
【チェックポイント】
- 洗浄・養生・下塗り・中塗り・上塗りなどの各工程が分かれて記載されているか
- 足場の設置・撤去費用が含まれているか
- コーキングの打ち替えや補修の有無が明示されているか
各工程が明確に記載されていれば追加請求のトラブルを回避できることはもちろん、手抜き工事のリスクも回避しやすくなります。
費用内訳に偏りや極端な差がないか
同じ条件・内容で複数社から見積もりをとった際、金額が極端に安い会社があればその理由を細かくチェックしましょう。
【チェックポイント】
- 塗料が耐久性の低い安価なグレードになっていないか
- 他社では有料の作業項目が無料・サービスになっていないか(足場代無料など)
総額が安くても、塗料の耐久性が低いとわずか数年で劣化しはじめ、短期間で再施工が必要になってしまいます。
また、塗装作業には足場の設置が欠かせませんが、悪質な業者の中には「足場代無料」などの文言で勧誘し、後からそれ以外のオプションを上乗せするというケースも少なくありません。
一見するとお得に見える内容も、実際に作業を依頼してみると想定外の費用が加算されたり、5年、10年という長期で考えるとトータルのコストが高額になるおそれもあるのです。
保証の有無・内容
塗装工事の施工直後は問題がなくても、日数が経過すると剥がれやヒビなどの不具合が生じるケースもあるため保証内容は重要な確認ポイントです。
【チェックポイント】
- 保証期間の年数
- 施工不良があった場合の対応内容
- 保証書が書面で発行されるか
保証には大きく分けて製品そのものの品質をメーカーが保証する「製品保証」と、業者が行った作業の仕上がりや施工品質を保証する「施工保証」の2つがありますが、塗装工事に使用する塗料には製品保証が附帯していないケースが一般的です。
そのため、施工業者によっても保証期間や保証内容はまちまちであり、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

塗装工事の費用相場と見積もりが異なる理由

インターネットなどでは塗装工事の費用相場が公開されていますが、実際に施工業者から見積もりをとってみると相場とかけ離れた金額が提示されるケースもあります。
それはなぜなのか、考えられる理由をいくつかご紹介しましょう。
建物条件
同じ塗料を使用した場合でも、建物の構造や形状、劣化状況によって費用は大きく変動します。
たとえば、建坪や外壁面積が大きい家の場合、単純に使用する塗料も多いため原材料費がかかるほか、施工日数も増えるため高額になりがちです。
また、細かな意匠が施された外壁は凹凸が多く、フラットな壁面に比べると多くの手間がかかることも。
さらに、築年数が古い住宅では劣化が進み、下地補修やコーキング交換が必要になり、その分のコストが加算されるケースもあります。
塗料の種類
使用する塗料のグレードや耐久性も費用に大きく関係します。
たとえば、アクリル系塗料は耐用年数が短い分費用を大幅に抑えられますが、耐久性を優先しフッ素系塗料や無機塗料などを使用すると、アクリル系塗料の倍以上のコストがかかることも。
見積もり額の妥当性を判断するためには、どのような塗料が使用されるのか、種類やグレードもしっかりと確認しておくことが大切です。
施工環境
建物そのものの構造や形状、状態だけでなく、周囲の環境も見積もり金額が高額になる要因となることがあります。
たとえば、極端に道路が狭い住宅地ではトラックが進入できず、手作業による部材の搬入・搬出を余儀なくされます。
また、近隣の建物との距離が近い場合、養生に時間を要したり足場を組み立てにくいケースもあるでしょう。
これらは人件費に直接影響するため、想定以上の見積もり額が提示されるケースも少なくありません。
価格設定
施工業者によっても利益率やサービス内容は異なるほか、下請け業者の有無によっても金額に差が生じます。
たとえば、「一式工事」と表記することでまとめて安く見せられますが、その中には細かい作業が省かれているケースもあり、必要な作業をすべて盛り込むと割高な総額になることも。
また、自社施工の場合は間に他社が介入することがないため比較的安く抑えられますが、下請け業者へ委託していると中間マージンが発生するため高額になりやすい傾向があります。
関連記事:外壁塗装のお金がないときに費用を抑える方法6選|活用できる補助金・助成金制度を紹介
塗装の見積もりから費用が追加されるケース

塗装工事で特に多いトラブルが、見積もり後に追加費用が請求され想定外の出費を伴うケースです。
典型的な例とそれを防ぐための対策もあわせて紹介します。
見積もり外の修繕が必要になった場合
塗装工事では事前に現地調査を行い見積もりを作成しますが、作業に着手して初めて異常が見つかり修繕が必要となるケースもあります。
たとえば、「外壁を洗浄してみたら、一部に深刻な劣化や構造クラックが見つかった」「雨漏りや腐食など、事前に目視で確認できなかった不具合が発覚した」などが考えられます。
この場合、補修工事や部材の交換が必要になり、別途費用が発生する可能性があります。
このようなトラブルを防ぐためには、現地調査時に追加費用がかかる可能性がないかをあらかじめ聞いておきましょう。
追加工事を依頼した場合
職人のスピーディーな作業を見ていると、「ついでに塀やウッドデッキの塗装もやってほしい」などとお願いしたくなるものです。
しかし、追加依頼をすると当然のことながらその分の材料費や人件費が上乗せされます。
特に高所作業や足場が必要な場所では、手間がかかるため費用増になりがちです。
そのため、最初の見積もり時点で、将来的に施工をお願いしたい箇所を洗い出しておくか、あらかじめオプションとして見積もりをもらっておくことが大切です。
仕様変更を依頼した場合
追加工事と同様に、当初は単色塗装であったにもかかわらずツートンカラーにしたくなったり、塗料をグレードの高いものに変更したいといった要望が出てくることもあります。
しかし、このような仕様変更は工期の再調整や材料の手配が必要になるため、追加費用が発生します。
施工途中での変更は特に割高な追加費用が求められることも多いため注意しましょう。

塗装の見積もりで失敗しない業者の選び方

塗装工事は高額なうえ、見た目と耐久性の両面で住宅の価値に直結する重要な工事です。
信頼できる業者を選ぶためには、以下の4つのポイントをチェックしておきましょう。
施工実績
豊富な施工実績は技術力とノウハウの証でもあります。
特にツートン外壁や細かな意匠が施された外壁の塗装は、職人の腕によって仕上がりが大きく左右されます。
信頼性が高い業者を選ぶためには、自社のサイトで過去の施工事例を写真付きで提示しているか、ツートンカラーやさまざまな素材・形状の外壁に対応した施工実績があるかなどを確認しておきましょう。
許可や保険の有無
業者の信頼性を見極めるために、客観的な指標のひとつになるのが建設業許可の有無です。
税込500万円以上の塗装工事を請け負うためには建設業許可が必要とされており、このような施工業者はアパートやマンション、ビルといった大規模な施設の施工も可能です。
また、建設業許可の取得にあたっては資金力や実務経験など一定の条件が設定されているため、業者の信頼性を見極める目安にもなります。
また、これに加えてリスクヘッジとして最低限押さえておきたいのが、損害保険への加入有無の確認です。
万が一、損害保険未加入の悪質な業者に依頼してしまうと、施工中の事故や近隣への損害が起きた際に補償されないリスクがあります。
見積もりとあわせて必ず確認しておきましょう。
施工体制
自社のスタッフで施工を行っているか、または下請け業者に委託しているのか、施工体制も確認しておきましょう。
自社施工の業者であれば中間マージンが発生せず、コストも安価に抑えられる可能性があります。
また、下請け業者がいないということは品質管理もしやすく、現場で何らかの異常やトラブルが発生したとしても素早く対応できます。
担当者の印象
塗装工事は見積もりから完了まで数週間〜1か月以上かかることが多く、施工費も決して安くはないため、信頼できる担当者かどうかは重要な判断材料です。
見積もりや施工の内容について少しでもわからない点や不安な点があれば遠慮なく質問し、それに対して担当者が誠実かつ明確な回答をしてくれるかを見極めましょう。
判断が難しいと感じる場合には、複数社から見積もりをとってもらい、さまざまな担当者と会話をすることで比較しやすくなります。
特に注意したいのが、無理な営業や強引な即決を迫ってくるパターンです。
たとえば「今すぐに施工しないと深刻な損傷を受けます」や「足場代をサービスします」、「今ならモニター価格で◯円になります」などの謳い文句で営業を行う悪質業者も少なくありません。
関連記事:外壁塗装の単価の出し方とは?費用相場や費用を抑える方法について解説
シンニッケンでは納得できる見積もりで塗装工事をご提案

信頼性が高く安心して施工を依頼できる業者が見つからずお悩みの方も多いのではないでしょうか。
また、施工後の保証やアフターサービスなどを考慮すると、地元に根付いた地域密着型の業者にお願いしたいと考える方も多いはずです。
シンニッケンでは外壁塗装のパイオニアとして35年の歴史があり、2020年には年間施工数全国No.1の8,416軒を達成しました。
北海道から沖縄まで全国に50拠点を展開しており、それぞれの支店が地域に密着した事業を展開しています。
丁寧な現地調査を行い、塗料選びからリフォームに関する相談までお客様が納得できるまで時間をかけて説明。
決して無理な営業や即断を迫ることはありません。
施工は自社専属の熟練の職人が手掛けており、さまざまな材質・構造の家屋にも対応できます。

まとめ
塗装工事の見積書を受け取ったら、金額だけではなく作業内容や内訳、塗料の種類、保証の内容など細かい部分まで確認することが大切です。
金額の安さだけにつられてしまうと、頻繁な塗り替えが必要になるなどトータルで高額な出費につながるおそれもあります。
また、信頼できる施工業者を選ぶことも重要なポイントのひとつ。
特に質問への回答をはぐらかしたり、曖昧な対応に終始するセールス担当者には注意が必要です。
本当に信頼できる施工業者をお探しの方は、まずはお気軽にシンニッケンへご相談ください。