外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

最終更新 : 2024.01.21

外壁塗装工事では、事前に高圧洗浄をおこないます。水に圧力をかけて外壁を洗い流す作業ですが、なぜ必要なのでしょうか。

塗料と水は相性がよくありません。現在の外壁塗装に使われている塗料の大半は水性で、濡れている面には塗装できないからです。もちろん、以前多く使われていた油性塗料でも濡れていたら塗装できません。でも、事前に高圧洗浄するのです。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

高圧洗浄は外壁塗装の仕上がりのためだけではありません。将来的な寿命にも関わる非常に重要な工程です。

今回は、なぜ外壁塗装に高圧洗浄が必要なのか、その重要性と効果を解説していきます。高圧洗浄の理由は、業者の見極め方にも繋がります

外壁塗装における高圧洗浄の概要と意義

外壁塗装でなぜ高圧洗浄が必要なのか、その概要と作業の意義を見ていきましょう。細かな部分まで知ることで、なぜここまで費用がかかるかといった理由も見えてくるからです。

高圧洗浄とは

高圧洗浄とは、水に圧力をかけ施工面に吹き付け、汚れなどを落とすことです。専用の高圧洗浄機を使います。

実は少し前までは高圧洗浄はせず、手で洗っていました。ですが、機械を使うことによって効率が良く、短期間で施工できるようになりました。そのため一般的な外壁塗装ではほぼ確実におこないます。

外壁塗装するための施工面を見ると、さまざまな汚れが付着しているでしょう。埃もありますし、カビやコケなども珍しくありません。外壁とは外に出ている部分であって、室内とは違う条件があるからです。しっかりと汚れを落とし、2日程度の乾燥を期間を置き外壁塗装を施すことが、きれいな仕上がりのためにも欠かせません。

高圧洗浄機の仕組み

高圧洗浄機の仕組みはいたって単純です。

水道水などを吸い上げてから機械で圧力をかけ、耐圧ホースで絞り込んだ先端に送り込み噴射します。このときにかける圧力やノズルの形状で洗浄面積を変えることができます。面積を小さく絞れば強い圧力で汚れを落としますし、広範囲にすれば圧力は弱まり優しく洗浄できます。状況によってノズルを変更して効率のいい選択も可能です。

冷たい水だけではなく、ボイラーを内蔵し、温水を噴霧する高圧洗浄機もあります。 洗剤も同時使用可能です。なかなか落ちない汚れを落とすときには、汚れに合わせた洗剤を使います。洗剤の種類も豊富で、環境に配慮したものも登場してきました。ノズルに洗剤をセットするタイプもあるため、状況に応じて選択可能です。洗剤の種類もさまざまなで費用にも影響することから、施工業者と相談して決めましょう。

なぜ外壁塗装前に高圧洗浄が必要なのか

高圧洗浄は工程としても非常に重要です。高圧洗浄には意外と費用がかかります。見積もりを判断するうえでも、高圧洗浄を行う理由がとても重要です。

外壁塗装前に塗装面を触ってみましょう。さまざまな汚れが付着しているはずですが、この上に塗装した場合どうなるでしょうか。

塗装した面との間に異物が挟まった状態です。せっかくの新しい外壁塗装をしても、塗装面との間に挟まり、くっつかない状況が出来上がります。異物が邪魔して、いずれ剥がれだすのです。

実際に外壁塗装に使われる塗料は液体で、汚れにもある程度浸透します。そのためすぐに剥離しませんが、長期的に見れば確実に外壁塗装の寿命を縮める要因です。この汚れを落とすことは重要で、付着強度を高めるためにも高圧洗浄が役立ちます

高圧洗浄の力は強く、手では落としきれないような汚れもきれいにできるのが特徴です。特に目に見えにくいカビや藻の胞子なども洗い流せます。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

効率がいい手法で、短期間で終了できるため、外壁塗装工程としてもメリットがあるのです。

汚れは簡単に落ちない

車の洗車をしたことがある人は、付着した汚れは簡単に落ちないと思いませんか?水をかけて流したつもりが、タオルで拭いてみると真っ黒!なんてこともありますよね。

この汚れは外壁だとさらに深刻です。時間をかけて汚れが付着して長期間積み重なります。この汚れを落とすには、手間と時間がかかるのです。それも大量の水をかけて落とすこともあるでしょう。

高圧洗浄の場合ノズルで水圧に変化を与えられます。頑固な汚れも高圧で落としますが、思ったより少ない水量で済むのです。

外壁塗装で高圧洗浄しないとどうなるか

高圧洗浄しなかった場合、外壁塗装がどのような仕上がりになるのでしょうか。前項でも一部解説しましたが、付着力が弱まるだけではありません。ほかにもさまざまな問題が出てくるため、順番に見ていきましょう。

平滑に仕上がらない

外壁塗装を高圧洗浄しなかった場合、さまざまな異物が付着した状態です。この状態のまま塗装したとしたらどうなると思いますか。でこぼこな状態の上に塗料を塗布するわけですから、当然でこぼこな仕上がりになります。

外壁塗装をしたばかりのときは、太陽の光を受けると輝いて見えるはずです。これは塗装面が平滑で光をきれいに反射することから輝いて見えます。ところがでこぼこな面に光が当たると、どうなるでしょうか。影もできるような乱反射を起こし、あまり輝いて見えません。つやを感じないのも実は凹凸があるからです。

凹凸ができると、汚れがひっかかりたまりやすいのも問題です。どうしてもきれいな仕上がりになりません。

意図的に凹凸をつける塗装もありますが、それとは全く違う状況です。強度なども高まるわけではないため、デメリットしかありません。

汚れが外壁塗料の付着の妨げになる

外壁塗装の付着能力が落ちると、外壁塗装が外壁材を守る力も落ちます

現在使われている外壁材の大半は水に弱く、長期間雨水が当たるだけで影響を受けるからです。その状況を防ぐために外壁塗装が重要な役割を果たしますが、異物があり仮に水が通る隙間になれば、自ら水たまりを作る状況になりかねません。内部に水分が侵入しやすい道を作ることにもつながるため、異物がない状態で塗装することが外壁を守るためにも絶対条件です。

外壁塗装の早期劣化

異物が挟まっている状況のまま外壁塗装すると、早期劣化につながる可能性が出てきます。せっかくの外壁塗装が剥がれ落ちる可能性が出てくるからです。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

挟まっている異物によっては、外壁塗装を劣化させる可能性があります。仮に苔のようなものが挟まったまま塗装すれば、内部で腐るかもしれません。ほかにも外壁塗装を変質させる要因のものも出てくるため、事前に洗い流すことが長持ちさせるポイントです。

高圧洗浄の作業の基礎知識

高圧洗浄の作業内容はそこまで難しいものではありません。もちろん、技術が重要なポイントになりますが、基礎知識として覚えておきましょう。

高圧洗浄の工程

高圧洗浄の工程は機材の用意から始まります。高圧洗浄機をセットしホースを伸ばして給水側と吐出側を用意し、水を供給してスタートします。

足場を使って移動しながら、高いところから低いほうへ向かって噴射するのがポイントです。その際には使った水が飛散するため、周りに養生しておくことも大切です。汚れが落ちたのを確認できれば終了です。

高圧洗浄が行える条件

高圧洗浄は万能ではありません。水圧によって噴霧した先に強い力をかけるため、条件によっては高圧洗浄を使わないことのほうがメリットになる場合があるからです。

高圧洗浄の条件として必要なことは、圧力に耐えられる状況かということです。この圧力は、人に怪我を負わすほどの力なので、柔らかいものであれば切り刻むことさえできます。

たとえばコーキングが劣化している状況は、そのままでは洗浄できません。高圧洗浄の力でコーキングが剥がれ、水が浸透するからです。先にコーキングを打ち替えてからの高圧洗浄が必要になります。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

外壁塗装の塗り替えをしない状況の中で、汚れているからといって高圧洗浄機をかけるのもリスクがあります。塗料の種類によっては高圧洗浄の圧力に耐えきれない場合があるからです。

塗膜を傷つけることで、寿命を短くすることもありえます。再塗装する場合でも細心の注意を払うことが必要です。工程としては単純ですが、繊細な作業です。

高圧洗浄の効果とメリット

高圧洗浄の最大のメリットは汚れを落とすことです。ほかにもさまざまなメリットがあるので順番に見ていきましょう。

外壁塗装面を効率よく洗浄できる

人間がブラシを持って手で汚れを落とすより効率的に短時間で作業できます。トータルの人数も少なくて済むため、高圧洗浄するメリットが生まれるのです。

最近では小型化が進んでおり、かなり狭いところでも作業できるようになりました。水を使うことによって上から下へと流れ落ちるところも高圧洗浄の良い点です。拭き取るような方法もありますが、どうしても汚れが残ることからも、高圧洗浄を使ったほうが効率的でしょう。

外壁塗装に対する費用対効果

高圧洗浄では一定の料金がかかりますが、高圧洗浄機を使うほうが手洗いよりもリーズナブルで確実です。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

ポイントとしておさえたいのは、外壁塗装を含めた工事で最も費用がかさみやすいのは人件費だということです。一般的な2階建て壁面積30㎡程度であれば、よほど特殊な条件で複雑な形状でなければ半日程度で終わります。長くても1日です。人数としては2人いれば作業できます。

手洗いで想定すると、1人で半日はとても終わりません。2人でも1日で終わるかどうかのレベルです。条件によってはもっと日数がかかるでしょう。そうなると人件費はかさみ費用負担が増えます。高圧洗浄機を使うことで、人件費も安くあげられるのです。

効率も良く、きれいに落とせるため、外壁塗装の寿命も伸ばせます。長期的な最終コストとして考えても、高圧洗浄を使うメリットがあるでしょう。

高圧洗浄で対応できない場合もある

高圧洗浄の作業工程の中でどうしても対応できない場合が出てきます。高圧洗浄機は非常に高い圧力をかけられる設計ですが、それでも落ちない汚れがあるからです。

たとえば、既存の塗膜が浮いているケースでは、高圧洗浄で落とせませんし、無理に落とそうとすると余計なダメージを与えるリスクがあります。職人の判断が求められる状況で、手作業で徹底的に削り落とすことになる状況です。

チョーキングがひどく、高圧洗浄できない場合もあります。高圧洗浄では、どうしても既存塗膜の一部を削り落とすからです。チョーキングの影響で薄くなった外壁塗装を高圧洗浄すると、下地まで傷つけるかもしれません。このようなケースではブラシで汚れを落としたほうがいいでしょう。

高圧洗浄のデメリットと注意点

高圧洗浄は全てがメリットの塊というわけではありません。デメリットもあるため、利用できるか検討しなければいけないのです。

高圧洗浄による問題点

高圧洗浄は必ず水を使います。高圧洗浄機によって加圧した水を噴射する仕組みだからです。

高圧洗浄では、汚れた水が下に落ちます。この水をかぶると汚れるかもしれないでしょう。決して清潔ではありませんよね。この水を適切に処理できないような環境では、高圧洗浄は避けるべきです。

水の飛散は、ある程度養生でカバーできます。しかし、限界もあるのは事実。隣家に飛散するようなことがあれば、トラブルの可能性も否定できないところです。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

さらに水の供給、高圧洗浄機の音の問題もあります。どこまでカバーできるか、周囲の環境によっても違いが出てくる部分です。

適切な圧力と洗浄方法

高圧洗浄機を使う場合には必ず適切な圧力が必要です。弱くなりすぎれば汚れは落ちませんし、強くなりすぎると削り取る可能性が出てきます。既存の塗装面を削り落とすだけならまだしも、ほかの付属物を傷つける可能性も否定できないからです。

高圧洗浄では、作業に慣れた職人が作業するのが大前提になります。見た目だけの判断ではなく、経験に応じて圧力を変化させることが仕上がりにもつながるからです。

窓は開けられない?

高圧洗浄を使って清掃している間、窓は開けることができません。汚れた水が入るからです。外壁塗装中は開けることができないと思ったほうがいいでしょう。

高圧洗浄機でかかる水の圧力は大きく、部屋に侵入すれば水浸しになるだけでなく、当たって怪我をする可能性もあります。 窓のほかにも、ほかの隙間から室内に入り込む可能性も考慮しなければいけません。特に外壁にクラックが入っている場合には注意が必要です。サッシ回りもコーキングの劣化などで影響を受ける可能性があるため十分注意する必要があります

洗濯物は干せるのか

洗濯物に関しては条件によって違います。水が飛散するような範囲内に干し場がある場合には、控えなければいけません。養生でカバーできる範囲なら、洗濯物を干せます。この辺りは現場の判断になるため、事前に相談して決めるのが大切です。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

外壁塗装中も洗濯物は干せません。こちらは臭いの問題も出てくるからです。作業に影響を与えることも考慮すると、干せないと思っていいでしょう。

騒音のレベル

高圧洗浄中には必ず音が出ます。音の出所は2つあり、高圧洗浄機自体からの音と、水が外壁に当たる音です。

高圧洗浄機の音はある程度一定ですが、水がぶつかった音は素材によって違います。室内で音が気になる場合、耳栓で対処する方法も有効ですが、外出してしまったほうが安心です。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

周囲のお宅に対する配慮も必要となるため、事前にご挨拶したときに、音が出ることを理解してもらうことが必要でしょう。

雨の日はどうなる?

高圧洗浄は雨の日でも施工可能です。大事なことは汚れを落とすことであって、雨の日でも施工に支障はありません。雨ではなく強風の日は、飛散する範囲が広がるため、状況によって中断することがあります。

高圧洗浄と洗剤

外壁塗装の汚れによっては洗剤を使用することがあります。洗剤にも種類があり、現在ではバイオ洗浄といった手法も取られるようになりました。

バイオ洗浄は一緒に噴射するのではなく、事前にバイオ洗剤を噴霧してから、高圧洗浄するのがポイントです。細菌も分解できる洗剤で、落ちにくい汚れも分解できます。環境にも配慮されており、安心して利用できる洗剤です。

高圧洗浄でトラブルにならない予防

高圧洗浄する際には必ずトラブルにならないような予防をしなければいけません。外壁塗装で必要な工程だとしても、トラブルになるような要素は事前に対処しておくことが求められます。

近隣へのあいさつ

近隣のお宅へのあいさつは絶対条件です。高圧洗浄では音が出ますし、水の飛散も考えられるでしょう。どんなに養生しても、完璧には防げません。

外壁塗装の前に高圧洗浄?仕上がりと寿命に影響する重要性と効果

ほんの少しと思っても、被害を被った側からすれば重大な問題です。大きなトラブルに発展するケースも出てくるため、作業に入る前には必ずあいさつをしてどのような作業をするか理解してもらう必要があります。

飛散防止の養生

高圧洗浄は水を噴霧し洗い流すことが目的です。そのため噴霧した水が飛散するかもしれません。そのために養生が必須です。

たとえば車に汚れた水がかかるのは、とても悲惨な状況で、傷をつけるかもしれません。作業前から水がかからないようにシートで養生する必要があるでしょう。

周辺に飛ばないよう、足場にメッシュシートを取り付けます、このメッシュシートは風は通しますが水はほとんど飛散させません。周囲のお宅への影響を抑えるためにも、足場のメッシュシートは欠かせないものとなるでしょう。

ほかにも植木や濡れてはいけない機械類、機材類なども養生の対象です。

まとめ

高圧洗浄は外壁塗装の工程において必要不可欠なものとなってきました。外壁塗装のコストを抑えるためにも役立ちますし、長持ちさせるためにも欠かせません。

ただし、何でもかんでも高圧洗浄すればいいものでもないのは確かです。条件によっては高圧洗浄ではなく、手洗いが向いている場合もあります

高圧洗浄したあと、どの程度きれいになったのか比較してみるのもいいでしょう。しかし、その場ではっきりと違いがわからないことも出てきます。ですが、外壁塗装の面から見ると、汚れを落としたメリットは必ず生まれてくるものです。

大事なポイントは隅から隅まで、いたるところの汚れを落とすこと。確実に施工するためにも、信頼できる業者に依頼することが重要です。

汚れは細部に渡るまで洗い流す必要が出てくるため、実績あるシンニッケンにご依頼ください

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