新築の外壁塗装はいつ必要?塗り替えの目安と見極めるポイント
最終更新 : 2025.04.24

新築のマイホーム。だれもが憧れ、いつか手にしたいと思うでしょう。
では、マイホームの外壁を気にしたことはありますか?色合いに興味はあっても、種類までは目がいかないことがほとんどです。
マイホームの外壁塗装は、建物であるマイホームを守る重要な盾になっています。
この盾が効果を失うと、マイホームを守るものはなくなり老朽化が進むのです。
大事なことは、外壁塗装はいずれ効力を失う時期がくるということ、そしていつごろ塗り替えを考えればいいかを理解するということです。
中古住宅を購入するときにも大事な目安となるので、塗り替えるタイミングは覚えておいて損はありませんよ。

Contents
新築の外壁塗装が必要になる理由

建築物は自然環境の中に存在します。
雨風や紫外線にさらされる環境にあり、構造的なダメージを受け続けるため寿命が短くなるのです。
そこで構造的な部分を守るために外壁塗装が使われてきました。
ここからは外壁塗装が必要な理由について解説しましょう。
外壁材の劣化を防ぐ
新築に使われる外壁材を見ると、窯業系サイディングやモルタルなどどこかに弱点があります。
窯業系サイディングもモルタルも、無機系として錆びにくく燃えない性質を持っており強度も保てますが、水を吸い込むのが問題です。
表面に撥水性がないためで、外壁塗料を使って守ってあげなければ寿命が落ちます。
金属系サイディングならそのまま雨水にさらせばやがて錆びるのです。
塗装していなかった場合、いつか外壁材を交換しなければいけない時期が来ます。
そうなると、かなりの出費が伴うのです。
外壁塗装のほうが安価で済むことからも、塗装を施したほうが経済的なメリットが高まります。
雨水や紫外線から建物を守る
外壁は、建物を外から守る大切なバリアです。
雨風や紫外線を直接受ける場所であるため、外壁塗装はその防御機能を保つうえで欠かせません。
塗膜には防水性や遮熱性があり、これが劣化すると外壁材が雨水を吸収しやすくなり、内部構造の腐食や劣化につながるおそれがあります。
また、紫外線の影響で塗膜が硬化・退色していくと、保護力も低下してしまいます。
塗装は見た目を整えるだけでなく、建物の耐久性を保つための基本的なメンテナンスなのです。
美観と資産価値を保つため
塗装の役割は機能面だけではありません。外壁の見た目は、住宅全体の印象や資産価値にも大きく影響します。
色あせやひび割れが目立つ外壁は、築年数以上に老朽化して見える原因にもなります。
とくに新築から数年が経ち、周囲の住宅と比較されたときに劣化が進んでいると、マイナスイメージを持たれやすくなります。
定期的に塗り替えを行い、美観を維持しておくことは、将来的に売却や賃貸を検討する際の資産価値維持にもつながります。
関連記事:ALCの寿命は50年?外壁塗装が支える重要なポイントとは
新築から外壁塗装を考えるタイミングとは?

新築後すぐに塗装が必要になるわけではありませんが、一定期間が過ぎるとメンテナンスの検討が必要になります。
塗料や外壁材の種類、周囲の環境などによって劣化のスピードは異なるため、「いつが塗りどきか?」の見極めが重要です。
築年数や塗料の耐久年数
一般的に、新築住宅の外壁塗装は築7〜10年が目安とされています。
ただしこれは一律ではなく、使用されている塗料の種類によって大きく異なります。
たとえば、アクリル塗料は耐用年数が短く5〜7年程度ですが、シリコン塗料やフッ素塗料であれば10年以上持つケースもあります。
建築時の記録や仕様書が残っていれば、そこに記載された塗料の種類を確認してみるとよいでしょう。
築年数とあわせて塗料の性能を把握することで、塗装すべきタイミングを見極めやすくなります。
立地・気候による劣化の差
外壁の劣化スピードには、立地や気候も大きく影響します。
たとえば、海沿いや風が強い地域では、塩害や風雨によるダメージが蓄積しやすく、通常よりも早く塗膜が劣化する傾向があります。
また、日差しが強い南向きの壁面は紫外線による退色やひび割れが進みやすいです。
逆に、日陰が多い北面ではカビや苔が生えやすくなります。
このように環境要因による差があるため、築年数だけに頼らず、立地や気候条件も踏まえたうえで塗装時期を判断することが大切です。
塗り替えが必要なサイン
新築でも外壁塗装はいつか劣化して、塗り替えなければいけなくなります。
どのような塗料を使っているかで大きな差が出てきますが、大事なことは劣化のサインを見逃さないことです。
ここからは、外壁の再塗装のタイミングについて解説していきます。
チョーキング
チョーキングとは外壁に使われている塗装の表面部分が紫外線によって劣化し粉状に変化する状態です。
触るとまるでチョークのような白い粉状になっており、劣化の最初のサインとして知られています。
新築でもチョーキングが現れてきたときには、外壁塗装を検討したほうがいいでしょう。
ひび割れ
新築の壁がひび割れていることを見つけたなら、早めに補修しなければいけません。
塗装表面部分が割れている、外壁財自体がひび割れるケースなど種類があり、それぞれで状態に違いがあります。
劣化の度合いにも違いがありますが、早期に状態を診断し、補修とともに外壁塗装を検討すべきでしょう。
はがれ
外壁塗装は外壁材に密着して初めて効力を発揮します。
接着剤と同じような性質を持っているため、外壁材にぴったりとくっついているのです。
外壁材からはがれてしまうと、外壁材を守る盾として役に立ちません。
一度はがれてしまうと元には戻らないため、取り除いてからの塗り直しが必要です。
新築でも施工不良ではがれるといったケースは考えられます。
シーリングの劣化
サイディングは、必ず継ぎ目があります。
この継ぎ目は隙間になってしまい、目地材を入れなければ雨水が浸透するのです。
シーリングはこの目地を埋める建築材で、弾力のある樹脂を使い外壁材同士がぶつかって破損することも防ぎます。
シーリング材は、長くても10年が耐用の限界年数です。
外壁塗装よりも先に劣化が進むこともあるため、早めに補修しなければいけません。
上からシーリング材を打つ「打ち増し」、撤去して「打ち替え」と方法はいくつかあります。
どの方法をとるにしても、外壁塗装の状態を確認し同時に施工するほうが工事だけではなく費用効率としてもお得です。
定期的に調べることも必要ですので、シンニッケンの無料診断を利用してはいかがでしょうか。

新築住宅に使われる外壁材の種類
外壁材によって塗装が必要になる時期には違いがあります。
主な外壁材とその塗装時期の目安、特徴を一覧にまとめました。
外壁材の種類 | 塗装の目安 | 特徴 |
窯業系サイディング | 約7〜10年 | セメントが主成分でデザイン性が高く、現在主流の外壁材。吸水しやすいため塗膜保護が重要。 |
モルタル外壁 | 約8〜10年 | 継ぎ目がなく意匠性が高いが、経年でひび割れが発生しやすく定期的な塗装が必要。 |
金属系サイディング | 約10〜15年 | 軽量で耐久性が高いが、サビや塩害・色あせを防ぐために塗装による保護が必要。 |
ALCパネル | 約7〜10年 | 断熱性・耐火性に優れた軽量気泡コンクリート。吸水性が高いため塗膜での防水が不可欠。 |
以下でそれぞれの特徴を詳しく解説します。
窯業系サイディング
外壁材の中でも、一般住宅のシェアが圧倒的に多いのが窯業系サイディングです。
サイディングといえば窯業を指すほど一般的なものとなりました。
サイディングとは、外壁に張る板材のことです。
その中でも窯業系とは、主成分がセメントであることからモルタル外壁に近い性質を持っています。
モルタル外壁
モルタルとは、セメントと砂を混ぜたものです。
左官でモルタルを塗りつけて作る壁で、サイディング以前の主流でした。木造住宅の大半はモルタル外壁で作られています。
耐久性に優れていますが、ヒビ割れやすく、そのままでは防水機能がありません。
しかし左官仕上げなので、いろいろなデザインが作れます。
タイルを張ることも可能で、デザイン性を高められるのはモルタル外壁だけです。
オリジナリティを出したいという人は、新築でもモルタル外壁を選ぶといいでしょう。
金属系サイディング
サイディングとして、主材はスチール版などの金属を使い裏側には断熱材を施すのが金属系サイディングです。
断熱性に優れ、耐震性にも高い効果を発揮します。
コストパフォーマンスもよく、凍害に強いことから利用されるようになりました。
しかし金属ですので酸性雨の影響を受けやすく、塩害にも弱いのが弱点です。
錆が出てくるのも金属製サイディングのデメリットになるでしょう。
ALCパネル
ALCとは軽量気泡コンクリートのことです。
一般住宅よりも商業施設など大きな建物でよく使われます。
コンクリートですので耐久性が高く、燃えにくいのが特徴です。
耐震性にも優れており、軽量なため高層建築に使いやすいという性質を持ちます。
コンクリートというと水に沈むイメージがありますが、 ALCは水に浮くほど軽い性質を持っているからです。
セメント系ですので防水性が極めて低く、吸水性が高いというデメリットを持っています。
防水機能がないため、必ず塗装しなければいけないのも弱点です。
関連記事:外壁塗装の種類とは?あなたに合った塗装をプロが解説
外壁塗装に使われる塗料の種類

外壁塗装で使われる塗料にはいくつかの種類があり、それぞれ耐用年数や特徴に違いがあります。
比較しやすいように、代表的な塗料の性能を一覧表にまとめました。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 | 主な特徴 |
アクリル | 約5〜7年 | 安価で扱いやすいが耐久性は低め。こまめに塗り替えたい場合に適している。 |
ウレタン | 約7〜10年 | 柔軟性があり下地への密着性も高い。価格と性能のバランスが良い。 |
シリコン | 約10〜15年 | 現在主流。耐候性とコストのバランスが取れており、一般住宅に多く使われている。 |
フッ素 | 約15〜20年 | 高耐久・高価格。メンテナンス頻度を抑えたい場合に向いている。 |
リシン | 約5〜8年 | 吹き付け仕上げで表面に凹凸がありデザイン性は高いが、汚れやすくやや劣化しやすい。 |
以下でそれぞれの塗料の特徴を詳しく解説します。
アクリル
耐久性が低く、一般住宅にはあまり使われなくなったのがアクリルです。
価格の安さだけを見れば抜群の性能を発揮します。
安価な新築の場合、アクリルが使われるケースがあるため確認が必要です。
ウレタン
弾力を持った樹脂でひび割れしにくい特徴を持っているがウレタンです。
紫外線と水分を吸収しやすい弱点があり、シリコンよりは安いものの耐用年数も伴って下がります。
シリコン
現在外壁塗装で多く使われているのがシリコンです。
防汚・撥水・防カビなどさまざまな性能を付加できるメリットがあります。
耐久性も高まりますが値段も上がります。
フッ素
長い耐用年数と耐久性を持った塗料で、大型建築などに使われてきました。
抜群の性能を持っていますが、価格が高いのがデメリットです。
リシン
モルタル外壁に使われる方法で、セメントとアクリルなどの樹脂に骨材を入れたものです。
専用のガンを使い表面に吹き付けて仕上げます。ざらっとした仕上がりが特徴です。

外壁塗装の業者選びポイント

新築から数年が経ち、そろそろ外壁塗装を考え始めたときに悩むのが「どこに頼むか」です。
価格だけで決めてしまうと、あとから後悔するケースもあります。
ここでは、業者選びの際に押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。
相見積もりをとる
外壁塗装を依頼する前には、必ず2~3社以上から相見積もりを取りましょう。
金額だけでなく、提案の内容や工程の説明などに違いが出るため、比較することで判断材料が増えます。
費用が極端に安い業者には、塗料の品質や施工内容が十分でない可能性もあるため注意が必要です。
見積書の項目が具体的に記載されているかどうかも確認しておくと安心です。
保証内容・アフターフォローを確認
塗装工事は完了した直後ではなく、数年後に不具合が出ることもあります。
そのため、工事後の保証があるかどうかは重要なポイントです。
塗膜の剥がれや色ムラなどに対して、何年保証されているか、どの範囲が対象かを必ず確認しましょう。
また、保証の適用条件として「定期点検の実施」が求められることもあるため、アフターフォローの体制についてもあわせて確認しておくことが大切です。
実績や口コミを参考にする
業者を選ぶ際は、過去の施工実績や利用者の口コミも判断材料になります。
公式サイトで施工事例を確認したり、Googleのクチコミや地域の評判を調べることで、業者の対応力や信頼性が見えてきます。
特に「連絡が取りづらい」「説明が不十分だった」などの声が多い業者は注意が必要です。
可能であれば、地元での施工実績が豊富な業者を選ぶと安心感があります。
外壁塗装はシンニッケンにお任せ
私たちシンニッケンは、これまでに全国で30万棟以上の外壁塗装を行ってきました。
33年以上の実績があり、多くのお客様に選ばれてきた理由は、現場対応のていねいさと、施工の品質へのこだわりです。
現地調査では一級建築塗装技能士がしっかりと状態を確認し、建物に合わせた最適なプランをご提案します。
使用するのは、自社で開発した高性能塗料。見た目の美しさはもちろん、耐久性にも優れ、長く安心していただける仕上がりを追求しています。
全国50カ所以上の拠点があり、どの地域でも迅速かつ安定した対応が可能です。
施工後の不具合や気になる点があればすぐに対応できるよう、アフターサポート体制も整えています。
外壁塗装のことで迷っていることがあれば、まずは無料お見積りからお気軽にご相談ください。
まとめ
新築住宅でも、外壁は年月とともに劣化が進むため、定期的な塗装による保護が必要になります。
塗料や外壁材の種類、立地や気候によって適切なタイミングは異なりますが、劣化のサインを見逃さず、早めに対応することが建物を長持ちさせるポイントです。
塗装の時期だけでなく、使われている材料の特徴や業者選びもあわせて確認しながら、無理のない範囲で計画的に進めていきましょう。
