HALS(ハルス)ってなに?次世代外壁塗装には欠かせない塗料の技術を解説!

最終更新 : 2023.02.10

外壁塗装に使われる塗料は、年々進化してきました。世の中の変化に合わせ、要求される性能がどんどんと増えてきたからです。そのひとつに挙げられるのがHALS(ハルス)ですが、聞いたことはあるでしょうか?

HALS(ハルス)ってなに?次世代外壁塗装には欠かせない塗料の技術を解説!

おそらくほとんどの人は「何の事だろう」と思う言葉です。外壁塗装に使われる塗料にとって大きな技術で、塗料の選択にも大事な要素となります。
外壁塗装には必ず塗り替えの時期がやってきますが、そのときにどのような塗料を選ぶかが重要です。長期的なライフサイクルにも影響を与えるため、劣化に対してHALS(ハルス)とはどのようなものか覚えておくといいでしょう。

紫外線とラジカル

紫外線は常に地球上に降り注いでいる太陽光線の中に含まれています。人間の目には見ることができない性質を持っている光線です。非常に強いエネルギーを持った光線で、さまざまなものに影響を与えます。
太陽の光が暖かく感じるのも紫外線の影響ですが、肌が日焼けするなど影響が出てくるのも事実です。外壁塗装も表面上は殺菌などの効果が生まれる一方で、紫外線が浸透することで樹脂の結合を弱め、内部の顔料を分解します。色あせやチョーキング現象が現れる原因になります。
外壁塗料には、酸化チタンと呼ばれる物質が含まれています。酸化チタンは淡く白系に色を調節するときに使われ、ほぼすべての塗料に含まれているといっていいほどメジャーな物質です。この酸化チタンは美しい景観を作り出すために欠かせない物質ではありますが、紫外線を吸収しやすく分解されてしまう性質を持っています。このときに生じるのが、過激分子ラジカルです。
ラジカルをエネルギーと考えると分かりやすくなりますが、ラジカルは樹脂や顔料に影響を与えます。それも高エネルギーとして影響を与えるため、劣化はどんどんと進み、影響を受けると元には戻らないのです。つまり、寿命を大きく縮めることとなり、塗り替えの時期も早まります。 つまり、ラジカルをどうにかしなければ、外壁塗料は紫外線に負けてしまう日が来るのです。そこで利用された技術がHALS(ハルス)でした。

外壁塗装の劣化を防ぐHALS(ハルス)とはなにか

HALS(ハルス)とは、ヒンダードアミン系光安定剤のことです。HALS(ハルス)とは、外壁塗料に添加する薬剤のことを表しています。このような薬剤を添加剤と呼びますが、塗料の耐候性を高めるために使われてきました。
酸化チタンは、紫外線のエネルギーを受けるとラジカルを発生させます。このときに樹脂に影響を与えるわけですが、発生したラジカルを補足してしまうのがHALS(ハルス)の役割です。
もう少し分かりやすくしましょう。人間の体に例えると、紫外線によってダメージを受け、ラジカルと呼ばれる病気を発生させるとします。この病気をHALS(ハルス)という薬で押さえつけて広がらないようにします。これが外壁塗装の中で起こっているのです。
つまり、外で建物を守る外壁塗装は、紫外線を避けることはできません。それならば、ラジカルという影響をHALS(ハルス)によって捉えて抑えてしまおうという考え方です。
HALS(ハルス)は紫外線を吸収するわけではありません。これがUV耐性との大きな違いです。HALS(ハルス)の大きな特徴として、継続的に酸化チタンを捉える働きを繰り返します。実はまだ研究途上の部分もあり、さまざまな議論がありますが、HALS(ハルス)はナノ秒単位でサイクルを繰り返しています。それも限りなく繰り返していくのですから、効果の高さがうかがえます。

HALS配合の塗料の強み

外壁塗料にHALS(ハルス)が配合されている場合、さまざまなメリットを発揮します。未添加の塗料に比べて、ハイレベルの性能を発揮するのです。

チョーキング現象対策

紫外線を浴びると、塗膜内で劣化が進みチョーキング現象を引き起こすことがわかっています。チョーキング現象は樹脂の劣化を示すサインであり、外壁塗装の寿命を示すことでも知られている状態です。
HALS(ハルス)配合の塗料の強みとして、ラジカルを抑制するため、チョーキング現象が現れにくくなります。それだけ外壁塗装の ライフサイクルを大きく伸ばせることがメリットです。

光沢が持続しやすい

HALS(ハルス)配合の塗料の特徴として、光沢の持続が挙げられます。これはHALS(ハルス)を添加剤として使用した場合の特徴のひとつで、美しい光沢を長持ちさせられるのです。

汚れにくく防カビ性に優れる

樹脂の劣化に目がいきがちなHALS(ハルス)配合ですが、紫外線を寄せ付けないわけではありません。紫外線には抗菌作用があり、カビなどの原因物質も分解できます。HALS(ハルス)配合の塗料の場合には、紫外線の効果も加わり防カビ性や防藻性に優れており、長期間美しい景観を保ちやすいところが特徴です。

配合する相手の特性を受け継ぐ

HALS(ハルス)は添加剤であることから、元になった外壁塗料の特性を受け継ぎます。対応する塗料には必ず特性がありますが、HALS(ハルス)は、添加剤として特性を壊すような部分がほとんどありません。これも改良されてきた結果ですが、HALS(ハルス)を配合してもデメリットがほとんどないのです。
ただし、配合の仕方によっては、黄色に変化する場合があります。化学変化の結果ですが、こうした反応を抑制しているものも販売されるようになりました。
添加剤として手に入れられるなら自分で配合もできますが、HALS(ハルス)製品として販売されている塗料を使えば問題ありません。高いレベルの塗装技術を持った業者に依頼することも必要です。

HALS配合の問題

HALS(ハルス)配合塗料は、大きなメリットを生み出します。しかし、全く問題がなくなるわけではありません。だからこそ、HALS(ハルス)の性能を正しく理解しておく必要があるでしょう。

酸化チタンの影響

HALS(ハルス)を配合した場合、酸化チタンに対する影響が重要です。酸化チタンは白色顔料で色を淡くするために調整用に使われます。外壁塗装で淡い色を出そうと思えば必ず使われている添加剤です。
この特性からもわかるように、淡い色の反対として濃い色になれば、酸化チタンは必要がありません。濃い色の外壁塗料では、酸化チタン自体が存在しなくなることからも、HALS(ハルス)はあまり効果を発揮しない可能性が出てきます。

実績が少ない

HALS(ハルス)は、技術的にも高いレベルの配合剤です、これまで使ったことがない塗装業者も多く、塗料としての実績も少ないケースが考えられます。
シンニッケンの場合にはこれまで多数の実績を積んできました。これはHALS(ハルス)配合塗料でも変わりません。自社で高い性能を持った塗料を開発し、成功を繰り返してきたため他社と比較しても非常に多くの実績を持っています

まとめ

HALS(ハルス)配合塗料は、まだまだ新しい技術です。どうして永続的にナノ秒単位という高速でラジカルを捉えるか、はっきりしていない部分もあります。研究途上であるがゆえに、外壁塗装として利用する場合に知識と経験が欠かせません。どのように扱うのかによって、仕上がりにも大きな影響を与えるからです。
シンニッケンは、自社で開発した塗料があります。HALS(ハルス)を配合した塗料も開発し施工してきました。他社の製品を使い、製品だけではなく、配合成分を理解していないのとは違います。性能を発揮させるためにはどのような施工にすればいいかもよくわかっているのです
外壁塗装の塗り替えには、お金がかかります。建物を守るためには、いずれ塗り替えなければいけません。だからこそ、ライフサイクルを伸ばし、費用対効果にも優れる塗料を持って施工できる業者の選定が大事になるのを忘れないようにしましょう

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